全身性エリテマトーデス(SLE)とは

 2.全身性エリテマトーデス(SLE)とは

全身性エリテマトーデス(SLE)とは、その名のとおり、顔面の紅斑と関節の疼痛を特徴としますが、全身臓器の炎症を引き起こすこともあり、そのため他のさまざまな症状が出現します。自己免疫が主な原因とみられており、今のところ根治療法はありません。
急性の全身性エリテマトーデスを発症すると、発熱や疲れやすさといった症状が現れます。紅斑は、顔の両頬から鼻にかけて蝶の羽のように広がる蝶型紅斑となります。全身性エリテマトーデスは、長期間の治療を必要とします。病状や炎症の状態を抑えることを主な目標として、治療法は主に対症療法薬や消炎薬、ステロイド等の薬物の投与になります。

全身性エリテマトーデスと腎臓炎症
全身性エリテマトーデスは全身の臓器に炎症を起こします。臨床症状と好発頻度は、下表のようにまとめられます


臨床症状
発生頻度
関節痛又は関節炎
90%以上
皮膚の円板状紅斑
7080%
肋膜炎又は心膜炎
4050%
ループス腎炎
4050%
中枢神経障害
2060%
白血球の低下
60%
血小板の低下
20%

上表から、身体のあらゆる臓器が容赦のない自己免疫の攻撃を受ける可能性があることが分かります。中でも腎臓が侵されると最も予後が悪くなります。残念なことに、統計によれば、約4050%の患者は腎臓が侵された後にループス腎炎を発症しています。