論文:アントロキノノールは重症ループス腎炎マウスのT細胞の活性化を低下させるIL-18の産出を調節し、Nrf2活性を亢進する
(Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine (eCAM))
(eCam 2008 Volume 2011, Article ID 465894, 7 pages)
Chang JM, Lee YR, Hung LM, Liu SY, Kuo MT, Wen WC, Chen P.
Source:Division of Research and Development, Development Center for Biotechnology, Xizhi City, Taipei County, Taiwan 221, Taiwan.
要旨
Antroquinonol®の重大な臨床的発現及び病理組織学的な腎病変、急性のループス腎炎(ASLN)に対する治療効果を検討することを目的とする。異常に活性化したT細胞とB細胞及び/又は酸化ストレスは、ASLNの発症機序において重要な役割を果たす可能性がある。この研究によって、Antroquinonol®が抗炎症及び抗酸化活性機能を有し、軽度の腎病変が重篤なループス腎炎になることを防ぐことができるという仮説を立証する。
実験方法:週2回(NZB x NZW)F(1)マウスの腹腔にサルモネラ菌由来のリポポリサッカリド(LPS)を注射して、ASLNを誘発する。LPS初回投与後、2日後に再開して連続5週間、毎日異なる時間にマウスにアントロキノノールを強制経口投与して治療する。
結果:Antroquinonol®は、尿蛋白、血尿、腎機能障害を顕著に改善させた。
機序解析から、Antroquinonol®は、1)T細胞の活性化/増殖を抑制し、制御性T細胞を増強し、腎内のインターロイキン18(IL-18)の産出を抑制かつ減少させる。2)活性酸素及び一酸化炭素の生成を抑制し、Nrf2の発現量を増加させる。3)NF-κBの活性を阻害することによって、腎臓の炎症を抑制する。
結論:Antroquinonol®は、T細胞の活性化の差次的調節、IL-18の産出の低下、Nrf2の発現量の増加によって、ASLNの治療において明らかな効果を発揮する。