論文:Antroquinonol®は、マウスの全身性エリテマトーデス・ループス腎炎を抑制できる
(Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine (eCAM))
(eCam 2008 Volume 2011, Article ID 465894, 7 pages)
Chang JM, Lee YR, Hung LM, Liu SY, Kuo MT, Wen WC, Chen P.
Source:Division of Research and Development, Development Center for Biotechnology, Xizhi City, Taipei County, Taiwan 221, Taiwan.
要旨
ベニクスノキタケは台湾では民間薬として、炎症反応症候群や肝臓関連疾患の治療に用いられている。本論文の目的は、全身性エリテマトーデス(SLE)マウスの体内を調べ、ベニクスノキタケ菌糸体抽出物(Antroquinonol®)によって全身性エリテマトーデス(SLE)を治療した場合の治療効果を検討することである。NZB/WFマウスに二本鎖DNA抗体が出現した後、マウスに対して毎週5日間、連続12週間、異なる用量のAntroquinonol®(100mg、200mg、400mg/kg)を強制経口投与した。私たちはAntroquinonol®の効果を評価するため、SLEに関する生物化学的及び組織病理学的なバイオマーカーである血尿素窒素(BUN)、血中クレアチニン濃度、尿蛋白及び過ヨウ素酸シッフ染色を施した糸球体基底膜厚及び尿クレアチニンを測定した。 GoldenBiotech® 社がベニクスノキタケから抽出した活性成分Antroquinonol®を研究したところ、リポ多糖誘導を行ったRAW267.4細胞中に抗炎症活性があることを発見した。Antroquinonol®が400mg/kgの場合、尿蛋白及び尿素窒素BUNの水準を顕著に抑制し、糸球体基底膜厚を低減させた。アントロキノノールは、factor-αとインターロイキン1βの産出をそれぞれ75%と78%まで顕著に抑制した。したがってAntroquinonol®が尿蛋白とクレアチニン水準を低減させ、糸球体基底膜の肥厚を抑制することから、Antroquinonol®は自己免疫疾患によって惹起される腎臓の免疫損傷を治療することができると結論付けた。