自己免疫疾患の改善機序に関する検討

 2.自己免疫疾患の改善機序に関する検討

実験データから、アントロキノノール(Antroquinonol®)が腎炎症状の改善は、細胞内の炎症制御遺伝子の発現を調節する分子NF-κBの活性を効果的に阻害することができると同時に、フリーラジカル酵素遺伝子の発現を主導的に排除する分子Nrf2の活性の増加によってもたらされた結果であることが明らかです。
NF-κBの活性を効果的に阻害する                       Nrf2の活性の増加
アントロキノノールが腎臓を保護し、免疫系を調節して炎症反応を軽減することができるのは、アントロキノノールが、細胞内の炎症遺伝子の発現を調節する分子NF-κBの活性を効果的に阻害することができると同時に、フリーラジカル酵素遺伝子の発現を主導的に排除する分子Nrf2の活性を増加させることができるからなのです。さらに、ヒトの制御性T細胞の免疫抑制反応を大きく活性化し、アレルギーや炎症を食い止め、自己免疫疾患の発生を予防し、合併症を改善します。
実験結果をまとめたところ、アントロキノノールは、細胞の働きを正常に戻すという非常に顕著な抗炎症及び免疫調節の効果を持っていることが分かりました。この結果から、アントロキノノールは自己免疫疾患患者の体内で過剰に活性化された免疫反応を調整し、免疫系の誤った攻撃の機会を低下させ、全身の組織及び臓器の衰弱を防ぐことができることが明らかになりました。


用語説明:
1.Nf-kB
NF-κBはストレスやサイトカイン、紫外線等の刺激により活性化される。NF-κBは免疫反応において中心的役割を果たす転写因子の一つであり、急性および慢性炎症反応や細胞増殖、アポトーシスなどの数多くの生理現象に関与している。NFκB活性制御の不良はクローン病や関節リウマチなどの炎症性疾患をはじめとし、癌や敗血症性ショックなどの原因となり、特に悪性腫瘍では多くの場合NF-κBの恒常的活性化が認められる。

2. Nrf2
正常細胞中で酸化ストレス応答を担う転写因子(制御タンパク質)の「Nrf2」が、がん細胞の中では糖やアミノ酸の代謝を変化させることにより、がん細胞の増殖を促進することを抑制する。

3. 制御性T細胞(T regulatory cell
免疫細胞の一種で、免疫系の活動が過剰にならないように一部のリンパ球の働きを阻害するもの。